社会には多様な人々が暮らしています。
日本が100人の街だったら(日本の統計2006年 参考)
男性 49人 女性51人 妊婦1人 高齢者20人 子供15人 左利き 10人
白内障 12人 糖尿病20人 アレルギー4人 障害のある人 6人 外国人1人
となります。
つまりいろいろな人が一緒に暮らしている現状の中で、要求されるサービスは十人十色で、サービスに対するニーズも様々になってきています。
医療機関として、全ての方が使いやすい環境を設けることは、非常に難しくなってきているため、色々な面で配慮をする必要性が出てきています。
特に意識しなければならないのが、高齢者の方です。
主な配慮として、
●視覚機能の変化
40歳くらいから近くのものが見えにくくなり、さらに60歳くらいから遠くのものが見えにくくなります。ピントが合わなくなるいわゆる「老眼」。その他に老人性白内障があります。40歳後半から始まり、60代で70%、80代でほぼ1000%の方に認められます。眼球のレンズが濁り、かすむ、ぼやける、暗いと見えにくいが強い光のまぶしさでも見えにくい、黄白色がかかった見え方になる、痛みや充血はない、長い年月を掛けて、変化するので、本人は気付かない、などの特徴があります。
歯科医院の場合は、配管などの関係上、段差がある特長がありますので、明度の高いもの同士、たとえば白とベージュ、明るいグレーとベージュ、パステル系の色の組み合わせなどは区別がしづらいので、赤い帯などでコントラストをつけることをおすすめします。
●聴覚機能の変化
「老人性難聴」といって、低音より、高音が聞きにくくなるのが一般的です。
つまり、電子音の「ピピッ」という音が聞きにくかったり、女性の声より男性の声が聞きやすかったりします。
歯科医院の場合、スタッフの方はほとんど女性ですから名前を呼ぶ場合・説明をする場合など、聞きとれているかをしっかりと配慮する必要性があります。
●運動能力の変化
関節の柔軟性や筋力が低下し、手先が不器用になります。バランスが悪くなり、ごく小さな段差でも転びやすくなります。反応する能力も衰えるので、エスカレータや回転ドアなど動くものをうまく利用できないことがあります。
先程も少し触れましたが、段差対策や、ユニットを動かす際にも、動かすことをしっかりと説明するなどの配慮をしてあげるといいと思います。
妊婦の方や子供の負担や苦労の特長としては、下記の通りになります。
妊婦
●体重が平均8キロ増加
●立ち座り、歩行などの基本的な動作でも大きな負担
●お腹が大きくせり出し、身体の重心位置が変わる
●腹筋が伸びてしまうので、腹筋を使う動作ができない
子供
●身体が小さく筋力が弱い
●立体視(ものを奥行きのある立体的なものとしてとらえること)が弱い
●身体の器用さが未発達なので、成人向けのものが使えない
上記の特長をしっかりと把握した上で、歯科医院全体で、妊婦や子供の視点に立って、気を配る必要性があります。
最後になりますが、車いすの患者様は、下記の通りのスペースが必要になります。
また、車いすに関してですが、
車いすの通行に必要な最低限のサイズ80cm
余裕のある必要幅90cm
車いすと歩行者のすれ違い幅150cm
車いすが180度回転できる最低サイズ150cm、
電動車いすが180度回転できる最低サイズ180cmになります。
●ユニット周りがスペースを確保できているか
●玄関にスロープがあるか
●入口などの段差がクリアできているか
●トイレが車いすのスペースがあるのかなどは、歯科医院全体に把握しているといいと思います。その上でホームページなどに諸条件を報告してあげると患者様も判断しやすいと思います。
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