ワーキングプアが5人に1人と言われ、歯科業界の厳しさだけが、話題にあがる今日この頃ですが、歯科業界にとって本当に今が厳しい時期なのでしょうか?
答えは、NOです。実は、今が本来であれば、最も恵まれている時期だと考えなければならない部分もあるのです。
歯科業界の患者は50歳をさかいに増加する傾向にあります。これは歯周病の重度患者が55歳をピークに増加することが大きな一因になっております。
また、15年国民医療費の統計値によると、年代別一人当たりの歯科医療費は、
60歳代が最も高いという結果が出ています。
この60歳代に1947年〜1949年(51年まで含む場合もあり)生まれ、いわゆる団塊の世代がちょうど差し掛かってきているのです。
そのため、歯科業界が最もターゲットにすべき、年代が人口が増えてきているのです。
60歳というのはいわゆる定年を迎える時期でもあり、昼人口の存在であった男性の多くが夜人口に移るときでもあります。
年齢が高くなると、保守的になるためなかなか病院の変更をしない傾向にありますが、今までの仕事先の近くから、自宅の近くへ。またゆとりを持って治療ができなかった状態からゆとりをもって健康維持・促進に力を入れる時間を手に入れることを意味します。
つまり年配の方が唯一病院を考え直す最も一番いい機会なのです。
また、平成23年にはレセプトのオンラインシステムの義務化が決まっており、団塊の世代以上の方の経営されている歯科医院は、歯科医院を継続するかを悩まれている医院も多く、あるアンケートによると15%の方が、オンラインシステム導入をきっかけに廃業もしくは継承をするという結果もでています。長年通っていた医院の廃業などを一因にここでも患者様が病院を探す可能性を秘めているのです。
そのため、平成25年位までは、60歳代の新規患者を増やす可能性がこの厳しい環境の中でも恵まれているのです。
逆の考え方をすると、平成25年以降は、さらに加速度的に厳しい環境になることは
間違いありません。いかにこのタイミングに患者様とかかりつけ医の関係になれるかが本当に大事になってきます。
次回からは団塊の世代についてどんな特徴をもっているのかに触れていきたいと思います。
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