●SWOT分析とは、
・内部(自院)を分析し、そこの強み(Strength)と弱み(Weakness)を認識すること
・外部環境を分析し、そこにある機会(Opportunity)と脅威(Threat)を認識すること
内的要因の強みと、外的要因の機会の状況にある場合は、自院の強みを活かして、どのような事業機会を取り込むことができるか・・・積極的攻勢戦略を考えます。
内的要因の弱みと、外的要因の機会の状況にある場合は、自院の弱みによって機会をつかみ損ないか(それを防ぐためにはどうすべきか)・・・段階的施策戦略を考えます。
内的要因の強みと、外的要因の脅威の状況にある場合は、自院の強みを活かして、脅威を回避できるか(他社に脅威でも自社の強みで差別化要因にすることができないか)・・・差別化戦略を考えます。
内的要因の弱みと、外的要因の脅威の状況にある場合は、自院の弱みによって脅威はどのような影響を与えるのか(それをを防ぐためにはどうすべきか)・・・専守防衛または撤退戦略を考えます。
この分析をすることで、医院の取り巻く環境がどのような状況にあり、今後、どのような戦略をすることが最適なのかを分析することができます。
皆様に共通して考えることができる外部環境分析については、現在このような状況にあるといえるでしょう。
①社会全体の動向
・日本の人口の減少化
・高齢社会
団塊の世代の定年・シニア層の仲間入り寿命の高齢化 平均81.7歳(2002年)
・女性の高学歴化
晩婚化(晩産化)・・・初婚平均27歳時代
少子化・・・合計特殊出生率1.29時代
・非婚化
・老人医療制度の崩壊
・生産年齢人口の減少
②医療業界の動向
・歯科医院、歯科医師の増加
・保険収入の限界
(保険点数減・低所得者の保険料未払問題に
伴う患者減少)
・医療従事者確保の問題(雇用環境の変化)
・歯科衛生士3年制導入により更なる飛躍
・技工士の不足・海外への仕事流失
・女性の可処分所得の増加に伴う自費治療の増加
・健康志向
・技術革新
・税制面での優遇縮小
・金融機関からの厳しい与信審査
③自院の立地する地域の動向
POINT
・他院の分析を行う
・ランドマークの確認
・地域の人口構成の変動要因
・商圏500m以内の現在の来院患者のマッピングをして、重点エリアを分析する
今までもブログで説明させて頂いたとおり、団塊の世代の定年高齢化社会を迎え売るなかで、日本の人口の推移・消費特性を把握したうえで、今後の医院の戦略を掲げることがとても重要になってくるのではないでしょうか?
また、医院の取り囲む環境の厳しい中で、歯科衛生士・技工士などの医療従事者の確保など従業員満足を高め、よりよいスタッフとの連携も大事になってくるように感じます。
内部環境分析に関しては、下記の項目などに注目して分析してみると、自院の状況が判ると思います。
①自院の経営実績
・中医協診療所調査データなどを使い、平均的な歯科医院との差を分析する。
・前年比・前前年比と比較しての問題点を抽出する。
・売上の構成を分析した上で、新規患者・再来患者・自費患者のターゲットを明確化する
②自院の商品力
技術・・・学会・研修など力を入れていることも、
明確にしましょう。
設備・・・医療理念と伴って、整理してみると非常に効果がでています。
③自院の営業力
エリアマーケティングによる商圏の分析を
行うと、更なる戦略がしやすくなります。
また、患者の年齢層、保険・自費治療の割合
などの分析を行います。
④自院の人間力
顧客満足は従業員満足なくして、達成はできません。また、スタッフの確保の問題が出てきているなあ、従業員の待遇面に関する判断も必要
になっています。
このSWOT分析を通して、自院の強みを理解して、差別化戦略につなげます。しかしこのSWOT分析において最も大切にしたいのは、医療理念を実現していく上で、最も地域でNO1になりたい内容が、どの段階になっていて、今後どのような取り組みが必要になってくるかを分析して取り組んでいくことにあります。
大変かもしれませんが、一度整理してみて頂ければと思います。
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10月 24th, 2008
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とても勉強になります。
昨日、歯科においてのSWOTは、何になるか
考えていました。
10月 24th, 2008
SECRET: 0
PASS:
SWOT分析を通じて本当の意味での業界の現状を知り、また自院の立ち位置を知る。そこにマーケティングの戦略が見えてくるのだと思います。
その状況に立った時に正しく判断できるような医療理念があるとよりこの分析が役に立つのだと思います。